匂いを嗅ぐことで記憶が蘇ることを「プルースト効果」というらしい。
匂いは一番記憶に残りやすいということを知りながら正式名称があることを知らなかったので朝からほーー、となった。



私は香水が大好きで一時期色んな種類の物を集めていた。去年の秋頃、よく一緒に遊んでいた年下の男の子が使っていた香水を使い切ったから新しいやつが欲しいとのことで、私も良いものがあったら買おうという気持ちで一緒に百貨店に行った。


ここの匂いもいいよ、と
あれこれとじっくり選んでいたところで、個人的に金木犀の香りの物が欲しいと頭に浮かんだので店員さんに尋ねたら三種類ほど持ってきて嗅がせてくれた。
その中に自分好みの物があった。
彼もそれが一番気に入ったらしく即決していた。
人とお揃いの香水を買うことが初めてだったのでなんだかそわそわしたけど、自分が良いと感じたものが同じだったのはちょっと嬉しかった。



半年以上経った今、彼とは疎遠になってしまったけど香水を見るたびに思い出す。
まだこの香水を使っているのだろうか？長時間香らせるには向かない香水だからもう無くなっただろうか？
特に深い関係でもない彼だったけど、たまに気になりはする。




匂いってこの世で一番綺麗で刹那的。
ジメっとする季節に、よりジメーーーっとするような思い出を綴ってみた。